数学Ⅰ「2次方程式・不等式」解き方の型 9選
2次方程式・不等式では、因数分解・解の公式・判別式を使い分けます。
不等式は「方程式の解を求めて、グラフ(放物線)のどこが上か下かを見る」の2段階で考えます。符号の向きを間違えやすいので、最後に代表の値を代入して確かめましょう。
このページでは、2次方程式・不等式でよく使う解き方を 9 個の「型」に分け、それぞれ「使う問題・考え方・手順・例題・間違えやすい点・似た型との違い」の順に解説します。例題と解説はすべて当サイトのオリジナルです。
1. 因数分解で解く型
使う問題
左辺が整数の係数で因数分解できそうな 2 次方程式。
考え方
「積が 0 なら、どちらかが 0」を使う。右辺を 0 にそろえてから因数分解するのがすべての出発点。
手順
- 右辺を 0 にして ax²+bx+c=0 の形にそろえる
- たすき掛けで (px+q)(rx+s)=0 と因数分解する
- それぞれ =0 として x を求める(x=−q/p, −s/r)
例題
問題 x² − 5x + 6 = 0 を解け。
- (x − 2)(x − 3) = 0
- x = 2, 3
答え x = 2, 3
間違えやすい点
- 解の符号(x=−q/p)を逆に書く。
似た型との違い
因数分解できないときは「解の公式の型」を使う。
2. 解の公式の型
使う問題
因数分解がうまくいかない(かけて c、足して b になる整数が見つからない)2 次方程式。
考え方
ax²+bx+c = 0 の解は x = (−b ± √(b²−4ac)) / 2a。値を代入して、根号の中を簡単にし、約分する。
手順
- a, b, c を符号つきで読み取る
- x=(−b ± √(b²−4ac))/2a に代入する
- √ の中を簡単にし、約分する(b が偶数なら b′=b/2 の公式が楽)
例題
問題 2x² + 3x − 1 = 0 を解け。
- a = 2、b = 3、c = −1 を代入
- x = (−3 ± √(9 + 8)) / 4 = (−3 ± √17) / 4
答え x = (−3 ± √17)/4
間違えやすい点
- −b の符号、2a の「2」の書き忘れ、約分は分子全体で行う。
- 分母の 2a を片方の項にしか書かない。
似た型との違い
b が偶数(b = 2b′)のときは x = (−b′ ± √(b′² − ac)) / a の形が速い。
3. 2次不等式(間)の型
使う問題
「(x−α)(x−β) < 0」の形。不等号が < か ≦ で、x² の係数が正。
考え方
グラフが下に凸なので、x 軸より下にある部分は 2 つの解の「間」。
手順
- 左辺=0 の解 α<β を求める
- x² の係数が正なら「<0 は 2 解の間」
- α<x<β と書く
例題
問題 x² − x − 6 < 0 を解け。
- (x − 3)(x + 2) < 0
- 2 つの解 −2 と 3 の間:−2 < x < 3
答え −2 < x < 3
間違えやすい点
- 不等号の向きを逆にして「外側」と書いてしまう。
似た型との違い
不等号が > のときは「外側の型」。
4. 2次不等式(外側)の型
使う問題
「(x−α)(x−β) > 0」の形。不等号が > か ≧ で、x² の係数が正。
考え方
グラフが下に凸なので、x 軸より上にある部分は 2 つの解の「外側」。
手順
- 左辺=0 の解 α<β を求める
- x² の係数が正なら「>0 は 2 解の外側」
- x<α, β<x と書く(「または」の関係)
例題
問題 x² − 3x + 2 > 0 を解け。
- (x − 1)(x − 2) > 0
- 解の外側:x < 1、2 < x
答え x < 1, 2 < x
間違えやすい点
- 「α<x<β」と間にしてしまう。
- 「外側」を 1 < x < 2 と書いてしまう。
似た型との違い
不等号が < のときは「間の型」。
5. 次数下げの型 ★入試頻出
使う問題
x² = x + 1 のような条件があり、x³ や x⁴ の値、高次式の値を聞かれる。
考え方
条件式を使って x² を 1 次式に置きかえ続ければ、高次の式が x の 1 次式まで下がる。
手順
- x=p+√q から 2 次方程式を作る((x−p)²=q)
- 高次式を「2 次式×商+余り」の形に割る
- 2 次式=0 なので、余りの 1 次式に x を代入する
例題
問題 x² = x + 1 のとき、x³ を x の 1 次式で表せ。
- x³ = x · x² = x(x + 1) = x² + x
- もう一度 x² = x + 1 を使うと (x + 1) + x = 2x + 1
答え 2x + 1
間違えやすい点
- 割り算の計算ミス、余りに代入するときの根号の整理。
似た型との違い
同じ単元の他の型とは、問題文の入口で見分けます。この型は「x² = x + 1 のような条件があり、x³ や x⁴ の値、高次式の値を聞かれる。」が目印です。目印に当てはまらないときは、上の目次から他の型の「使う問題」を見比べてください。
6. 判別式で解を判定する型
使う問題
「実数解の個数」「重解か」「異なる 2 つの実数解をもつか」を数値から判断する。
考え方
解の公式の √ の中身 D = b² − 4ac の符号を見れば、実際に解かなくても個数が決まる。
手順
- ax²+bx+c=0 の a, b, c を符号つきで読み取る
- D = b²−4ac を計算する
- D>0:異なる 2 実数解、D=0:重解、D<0:実数解なし
例題
問題 2 次方程式 x² − 4x + 5 = 0 の判別式 D と実数解の個数を答えよ。
- D = (−4)² − 4·1·5 = 16 − 20 = −4
- D < 0 なので実数解はない(0 個)
答え D = −4、0 個
間違えやすい点
- c が負のとき −4ac の符号を取りちがえる。
- b が負のとき b² の符号を間違える。
似た型との違い
「重解の条件の型」はこの D の考え方を、定数を含む式に使う。
7. 重解の条件の型
使う問題
「重解をもつとき、定数 k の値を求めよ」。
考え方
重解 ⇔ D = 0。D が k の式になるので、それを 0 とおいて k を求める。k² = ○ の形なら ± の 2 つの値になる。
手順
- 「重解をもつ」を D=0 と読みかえる
- D を文字定数 k(または m)の式で表す
- D=0 を解く。k² = ○ なら ± の 2 つの値になる
例題
問題 x² + kx + 9 = 0 が重解をもつような定数 k の値をすべて求めよ。
- D = k² − 4·1·9 = k² − 36 = 0
- k = 6, −6
答え k = ±6
間違えやすい点
- k²=○ を解いて正の値だけを答える。
- k = 6 だけを答えて −6 を落とす。
似た型との違い
「判別式で解を判定する型」は数値から判定、この型は D = 0 を満たす定数を探す。
8. 2次不等式の整数解の型
使う問題
「x² − 2x − 15 < 0 を満たす整数 x は何個?」のように、不等式の解と整数の個数がセット。
考え方
まず不等式を解いて範囲を出す。そのあと、範囲に入る整数を端の扱いに注意して数える。
手順
- 左辺を因数分解して 2 つの解 α<β を求める
- 下に凸なら <0 は α<x<β、>0 は x<α、β<x
- 範囲に入る整数を数える(端が整数のとき含むか確認)
例題
問題 x² − 2x − 15 < 0 を満たす整数 x は何個あるか。
- (x − 5)(x + 3) < 0 より −3 < x < 5
- 整数は −2, −1, 0, 1, 2, 3, 4 の 7 個(端は含まない)
答え 7 個
間違えやすい点
- 「間」と「外側」を逆にする、端の整数を数え間違える。
- 端の整数を数え忘れる(または含めてしまう)。
似た型との違い
「間の型」の応用。解の範囲を出したあとに整数を数える手間が加わる。
9. 解から係数を決める型 ★入試頻出
使う問題
「不等式の解が α < x < β であるとき、定数 p, q を求めよ」。解から逆に式を作る。
考え方
解が α, β なので a(x−α)(x−β) が元の式。展開して係数を比べればよい。不等号の向きから a の符号も判断する。
手順
- 解の端 α, β が分かるので a(x−α)(x−β) を考える
- 不等号の向きから、a の符号と「間」か「外側」かを確認する
- 展開して係数を比べる
例題
問題 x² + px + q < 0 の解が −1 < x < 4 であるとき、p, q を求めよ。
- 解が −1, 4 の間なので (x + 1)(x − 4) < 0
- 展開して x² − 3x − 4 < 0
- p = −3、q = −4
答え p = −3、q = −4
間違えやすい点
- x² の係数 a を掛け忘れる、α+β の符号を逆にして p を出す。
- α + β の符号を逆にして p を出す。
似た型との違い
「解から係数を決める」考え方は、解と係数の関係にもつながる。
この単元を練習する
型を読んだら、実際に手を動かして定着させましょう。アプリでは、それぞれの型の問題が数値を変えて何度でも出題されます。同じ型で3回連続正解すると「定着」になります。