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数学Ⅰ「データの分析」解き方の型 15選

最終更新:2026-10-15 / 執筆:すまげんちゃんねる

データの分析は、平均値・中央値・四分位数・分散・標準偏差・相関係数など、用語の定義を正確に使う単元です。

計算自体は難しくありませんが、定義を少しでも取り違えると答えが変わります。「データを小さい順に並べる」「偏差の2乗の平均」などの手順を型として固定しておくと安心です。

このページでは、データの分析でよく使う解き方を 15 個の「型」に分け、それぞれ「使う問題・考え方・手順・例題・間違えやすい点・似た型との違い」の順に解説します。例題と解説はすべて当サイトのオリジナルです。

1. 平均値の型

使う問題

「平均値は?」とデータが並んでいる。

考え方

平均値 = データの合計 ÷ 個数。仮平均を使うと計算が楽になる。

手順

  1. すべての値を足し合わせる
  2. データの個数でわる
  3. 約分して答える(仮の平均を決めて差を足すと楽)

例題

問題 3, 5, 7, 9, 11 の平均値を求めよ。

  1. 合計 = 35
  2. 35 ÷ 5 = 7

答え 7

間違えやすい点

  • 個数を数え間違えて、わる数がずれる。

似た型との違い

同じ単元の他の型とは、問題文の入口で見分けます。この型は「「平均値は?」とデータが並んでいる。」が目印です。目印に当てはまらないときは、上の目次から他の型の「使う問題」を見比べてください。

2. 中央値の型

使う問題

「中央値(メジアン)は?」。データが順不同で並んでいる。

考え方

小さい順に並べ替えてから、中央の値を取る。個数が偶数なら中央の 2 つの平均。

手順

  1. データを小さい順に並べ替える
  2. 個数が奇数なら真ん中の値
  3. 偶数なら真ん中 2 つの平均

例題

問題 2, 9, 4, 7 の中央値を求めよ。

  1. 小さい順:2, 4, 7, 9
  2. 個数が偶数なので中央 2 つの平均 (4 + 7)/2 = 5.5

答え 5.5

間違えやすい点

  • 並べ替えずに真ん中をとる、偶数個で平均を忘れる。
  • 並べ替えずに中央の位置を取ってしまう。

似た型との違い

平均値は全体の合計を使うが、中央値は順番だけで決まる。

3. 度数分布表の型

使う問題

階級と度数が並んだ表(度数分布表)が出てくる。

考え方

各階級の値を「階級値(真ん中の値)」とみなして、階級値 × 度数の合計を全体の度数でわる。

手順

  1. 度数の合計 n を確認する
  2. 平均値=Σ(値×度数)/n
  3. 最頻値は度数が最大の値(階級値)

例題

問題 階級 0〜10(度数 2)、10〜20(度数 3)の度数分布表の平均を求めよ。

  1. 階級値:5 と 15
  2. (5×2 + 15×3)/5 = 55/5 = 11

答え 11

間違えやすい点

  • 度数をかけずに値だけを平均する。
  • 階級の端の値(0 や 10)を階級値にしてしまう。

似た型との違い

個々の値でなく階級値を使う点が「平均値の型」との違い。

4. 四分位数の型

使う問題

「第 1 四分位数」「第 3 四分位数」「箱ひげ図」の値を求める。

考え方

小さい順に並べ、中央値で前半・後半に分け、それぞれの中央値が Q1・Q3。データが奇数個なら中央の値は含めない。

手順

  1. データを小さい順に並べ、全体の中央値 Q₂ を求める
  2. Q₂ より小さい半分の中央値が Q₁、大きい半分の中央値が Q₃
  3. 個数が奇数のとき、Q₂ はどちらの半分にも入れない

例題

問題 1, 3, 4, 6, 8, 9, 12 の Q1, Q3 を求めよ。

  1. 7 個。中央値は 6(4 番目)
  2. 前半 1, 3, 4 の中央値 Q1 = 3、後半 8, 9, 12 の中央値 Q3 = 9

答え Q1 = 3、Q3 = 9

間違えやすい点

  • 奇数個のとき、中央値を半分に含めてしまう。
  • 奇数個のとき中央値を前半・後半に含めてしまう。

似た型との違い

範囲・四分位範囲は、この値を使って引き算する次のステップ。

5. 範囲・四分位範囲の型

使う問題

「範囲」「四分位範囲」「四分位偏差」を求める。

考え方

範囲=最大−最小、四分位範囲=Q3−Q1、四分位偏差=四分位範囲÷2。

手順

  1. 範囲=最大値−最小値
  2. 四分位範囲=Q₃−Q₁
  3. Q₁・Q₃ は四分位数の型で求める

例題

問題 最小 2、Q1 = 5、Q3 = 11、最大 20 のとき範囲と四分位範囲を求めよ。

  1. 範囲 = 20 − 2 = 18
  2. 四分位範囲 = 11 − 5 = 6

答え 範囲 18、四分位範囲 6

間違えやすい点

  • 範囲と四分位範囲の取り違え。
  • 範囲と四分位範囲を取りちがえる。

似た型との違い

範囲は外れ値の影響を受けやすいが、四分位範囲は影響を受けにくい。

6. 分散の型

使う問題

「分散」を求める。データが少なく、偏差がきれいな値になる。

考え方

分散 =(偏差の 2 乗)の平均。偏差=値−平均。

手順

  1. 平均値 m を求める
  2. 分散=(偏差の 2 乗の平均)=(2 乗の平均)−m²
  3. 分数のまま計算して、最後に約分する

例題

問題 2, 4, 6 の分散を求めよ。

  1. 平均 = 4、偏差は −2, 0, 2
  2. 偏差² は 4, 0, 4 → 平均 8/3

答え 8/3

間違えやすい点

  • 偏差をそのまま足して 0 になる、(平均)² を引き忘れる。
  • 偏差の 2 乗を足したあと個数でわり忘れる。

似た型との違い

標準偏差は分散の平方根。

7. 標準偏差の型

使う問題

「標準偏差」を求める問題。分散から求める。

考え方

標準偏差 = √分散。分散を先に出してから平方根をとる。

手順

  1. まず分散を求める
  2. 標準偏差=√分散
  3. √ の中を簡単にする

例題

問題 1, 3, 5, 7 の標準偏差を求めよ。

  1. 平均 = 4、偏差² は 9, 1, 1, 9
  2. 分散 = 20/4 = 5、標準偏差 = √5

答え √5

間違えやすい点

  • 分散のまま答える、√ の簡約のし忘れ。
  • 分散のまま答える。

似た型との違い

分散と単位が違う(標準偏差はもとのデータと同じ単位)。

8. 相関係数の型 ★入試頻出

使う問題

2 つの変量 x, y があり、「相関係数」を聞かれる。

考え方

相関係数 r = 共分散 ÷(x の標準偏差 × y の標準偏差)。−1〜1 の値になる。

手順

  1. 相関係数 r=共分散/(x の標準偏差×y の標準偏差)
  2. 組のデータなら、平均→偏差の積の平均(共分散)を求める
  3. −1≦r≦1 になっているか確かめる

例題

問題 共分散 6、x の標準偏差 2、y の標準偏差 4 のとき相関係数を求めよ。

  1. r = 6/(2 × 4)
  2. = 3/4

答え 3/4

間違えやすい点

  • 標準偏差でなく分散でわってしまう。

似た型との違い

共分散は単位をもつが、相関係数は単位のない値。

9. 変量の変換の型 ★入試頻出

使う問題

「全員に 5 点加える」「y = 3x + 2 に変換する」のようにデータを変換したときの平均・分散。

考え方

平均は変換と同じ操作をする。分散は定数を足しても変わらず、a 倍すると a² 倍。標準偏差は |a| 倍。

手順

  1. y=ax+b のとき 平均値は a×(x の平均)+b
  2. 分散は a²×(x の分散)(b は影響しない)、標準偏差は |a|×(x の標準偏差)
  3. u=(x−c)/d と置いた問題は、x=du+c に戻して求める

例題

問題 x の平均 10、分散 4。y = 3x + 2 の平均と分散を求めよ。

  1. 平均 = 3×10 + 2 = 32
  2. 分散 = 3² × 4 = 36(足した 2 は影響しない)

答え 平均 32、分散 36

間違えやすい点

  • 分散に a をそのまま(2 乗せずに)かける。
  • 分散にも 3 倍や +2 をそのまま使う。

似た型との違い

平均は足し算も反映されるが、分散は反映されない点が最大のちがい。

10. 2グループ合併の型 ★入試頻出

使う問題

2 つのグループ(人数・平均・分散が分かる)を合わせた全体の平均・分散。

考え方

平均は「合計 ÷ 人数」で合算する。分散は「2 乗の平均 − 平均の 2 乗」を使って合計から出す。

手順

  1. 合併の平均=(n₁m₁+n₂m₂)/(n₁+n₂)
  2. 各グループの 2 乗の平均=分散+平均²
  3. 合併の分散=(合併の 2 乗の平均)−(合併の平均)²

例題

問題 A(5 人、平均 60)と B(15 人、平均 80)を合わせた平均を求めよ。

  1. 合計 = 60×5 + 80×15 = 300 + 1200 = 1500
  2. 1500 ÷ 20 = 75

答え 75

間違えやすい点

  • 分散どうしを単純に平均してしまう。
  • 平均の平均を取ってしまう。

似た型との違い

単純に (60 + 80)/2 としないよう、人数の重みを考える。

11. 箱ひげ図を読む型

使う問題

「最小値・Q1・中央値・Q3・最大値」が与えられている、または箱ひげ図が出てくる。

考え方

箱ひげ図の 5 つの値を読むと、範囲(端から端)と四分位範囲(箱の幅)が出る。外れ値は箱の端から四分位範囲の 1.5 倍より外。

手順

  1. 箱ひげ図の 5 つの値(最小・Q1・中央値・Q3・最大)を読み取る
  2. 範囲 = 最大−最小、四分位範囲 = Q3−Q1、四分位偏差 = 四分位範囲÷2
  3. 外れ値は Q1−1.5×四分位範囲 より小さい、Q3+1.5×四分位範囲 より大きい値

例題

問題 最小 3、Q1 = 8、中央値 12、Q3 = 15、最大 24 の四分位範囲を求めよ。

  1. 四分位範囲 = Q3 − Q1
  2. 15 − 8 = 7

答え 7

間違えやすい点

  • 範囲(最大−最小)と四分位範囲(箱の幅)を取りちがえる。

似た型との違い

「四分位数の型」で値を出した後に使う。範囲と四分位範囲を取りちがえやすい。

12. 偏差値の型

使う問題

「偏差値」「平均点・標準偏差が分かっていて、○点の偏差値は?」。

考え方

偏差値=50+10×(得点−平均点)÷標準偏差。標準偏差を 1 つの単位として、平均からのずれを測り直したもの。

手順

  1. 偏差値 = 50 + 10×(得点−平均点)÷ 標準偏差
  2. 得点や標準偏差を求めるときは、この式をその文字について解く
  3. 偏差値 10 の差は標準偏差 1 つ分の得点差

例題

問題 平均 60 点、標準偏差 10 点の試験で、75 点の偏差値を求めよ。

  1. 偏差値 = 50 + 10×(75 − 60)/10
  2. = 50 + 15 = 65

答え 65

間違えやすい点

  • 標準偏差でわらずに計算する、偏差値と得点を同じ尺度で足し引きする。

似た型との違い

偏差値 50 が平均、偏差値 10 の差が標準偏差 1 つ分と覚えると逆算が楽。

13. 共分散・相関係数の型

使う問題

2 つの変量のデータが対で並び、「共分散」を求める。または相関係数から共分散を求める。

考え方

共分散 =(x の偏差 × y の偏差)の平均。相関係数 = 共分散 ÷ 標準偏差の積。

手順

  1. 共分散 =(x の偏差)×(y の偏差)の平均
  2. 相関係数 = 共分散 ÷(x の標準偏差×y の標準偏差)
  3. 値は −1〜1。符号は共分散の符号と同じ

例題

問題 (x, y) = (1, 2)、(3, 6)、(5, 4) の共分散を求めよ。

  1. x̄ = 3、ȳ = 4
  2. 偏差の積:(−2)(−2) = 4、0×2 = 0、2×0 = 0
  3. 共分散 = 4/3

答え 4/3

間違えやすい点

  • 偏差の積を合計したあと、個数でわり忘れる。

似た型との違い

分散は 1 つの変量、共分散は 2 つの変量の偏差の積。

14. 外れ値を見つける型 ★入試頻出

使う問題

「外れ値」の基準(Q1−1.5×四分位範囲 など)が書いてある。

考え方

小さい順に並べて Q1・Q3 を出し、基準の範囲を作る。その外にある値が外れ値。

手順

  1. データを小さい順に並べ、四分位数 Q1、Q3 を求める(中央値で上下に分ける)
  2. 四分位範囲 = Q3−Q1、基準 = Q1−1.5×四分位範囲、Q3+1.5×四分位範囲
  3. 基準の外側にある値を数える・答える

例題

問題 1, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 30 の外れ値を、基準「Q1 − 1.5×IQR 未満、Q3 + 1.5×IQR 超」で求めよ。

  1. 8 個。前半 1, 4, 5, 6 → Q1 = 4.5、後半 7, 8, 9, 30 → Q3 = 8.5、IQR = 4
  2. 基準は 4.5 − 6 = −1.5 未満、8.5 + 6 = 14.5 超
  3. 外れ値は 30

答え 30

間違えやすい点

  • データが奇数個のとき、中央値を上下の半分に含めてしまう。

似た型との違い

四分位数の型を使い、さらに基準の判定が加わる応用型。

15. 分散を 2 乗の平均で求める型

使う問題

「平均が m、2 乗の平均が ○」または「合計と 2 乗の合計」が与えられ、分散を求める。

考え方

分散 =(2 乗の平均)−(平均の 2 乗)。偏差を 1 つずつ出さなくても、合計から直接求められる。

手順

  1. 平均 m と 2 乗の平均を求める(合計が与えられたら個数でわる)
  2. 分散 =(2 乗の平均)−(平均)²
  3. 標準偏差 = √分散

例題

問題 平均が 5、2 乗の平均が 28 のとき分散と標準偏差を求めよ。

  1. 分散 = 28 − 5² = 3
  2. 標準偏差 = √3

答え 分散 3、標準偏差 √3

間違えやすい点

  • 平均を 2 乗し忘れる、個数でわる前の合計どうしで引く。

似た型との違い

定義どおりに偏差を出す「分散の型」より速く、データが多い問題で便利。

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