数学A「場合の数」解き方の型 13選
場合の数は、順列・組合せ・重複・円順列などを、問題文の条件から見分ける単元です。
「並べるのか、選ぶだけか」「同じものがあるか」「区別するか」の3点を確認すると、使う式が決まります。迷ったら小さい数で書き出して確かめましょう。
このページでは、場合の数でよく使う解き方を 13 個の「型」に分け、それぞれ「使う問題・考え方・手順・例題・間違えやすい点・似た型との違い」の順に解説します。例題と解説はすべて当サイトのオリジナルです。
1. 順列・組合せの計算の型
使う問題
「並べる」「選ぶ」「順番を考える・考えない」。nPr・nCr の値や、その式の整理。
考え方
順番を区別するなら順列 nPr、区別しないなら組合せ nCr。nCr は「並べたものから重なりを 1 本化」した数と考えられる。
手順
- 並べるなら nPr=n(n−1)…(r 個)、選ぶだけなら nCr=nPr÷r!
- nCr=nC(n−r) を使うと計算が楽
- 約分してから計算する
例題
問題 8 人から 3 人を選んで 1 列に並べる方法は何通りか。
- 順番を区別するので順列
- 8P3 = 8 × 7 × 6 = 336
答え 336 通り
間違えやすい点
- P と C の取り違え(順番を区別するかどうか)。
- 順列と組合せを取りちがえる。
似た型との違い
「選ぶだけ」なら組合せ 8C3 = 56。順番があるかで使い分ける。
2. 積の法則の型
使う問題
「A の選び方が m 通り、B の選び方が n 通り」。同時に選ぶ・続けて決めるなど、段階がある。
考え方
「かつ(続けて起こる)」は積の法則、「または(同時には起こらない)」は和の法則。
手順
- グループごとに「何人選ぶか」を分ける
- それぞれ nCr で選び方を求める
- 「かつ」の関係は積の法則(かけ算)
例題
問題 シャツ 4 枚とズボン 3 本から 1 組を選ぶ方法は何通りか。
- シャツを選び、かつズボンを選ぶ
- 4 × 3 = 12
答え 12 通り
間違えやすい点
- 足し算にしてしまう(「と」は積)。
似た型との違い
和の法則との違い:「どちらか 1 つを選ぶ」なら足し算。
3. 余事象の型 ★入試頻出
使う問題
「少なくとも 1 つ…」「…でない」「…でないものを除く」と、直接数えにくい条件。
考え方
全体から「条件に反する場合」を引く。「少なくとも 1 つ」は「1 つもない」の余事象。
手順
- 「少なくとも 1 人」=全体−「1 人もいない」
- 全体の選び方 nCr を求める
- 全体−(条件にあわない人だけを選ぶ選び方)
例題
問題 大小 2 個のサイコロを投げて、少なくとも一方が 6 になる目の出方は何通りか。
- 全体 36 通り
- 6 が 1 つも出ない:5 × 5 = 25 通り
- 36 − 25 = 11
答え 11 通り
間違えやすい点
- 直接数えて数え漏れる。
- 全体から引く数を間違える(6 が出ない場合を数える)。
似た型との違い
直接数える方法と比べて、場合分けが不要になるのが利点。
4. 円順列の型 ★入試頻出
使う問題
「円形のテーブルに座る」「円形に並べる」。回転して重なる並べ方は同じとみなす。
考え方
1 人を固定すれば回転の重複がなくなり、残りを一列に並べるだけになる。n 人なら (n−1)!。
手順
- 1 人を固定して、残りを並べる
- n 人の円順列は (n−1)!
- 回転して重なる並べ方は同じとみなす
例題
問題 6 人が円形のテーブルに座る方法は何通りか。
- 1 人を固定し、残り 5 人を並べる
- 5! = 120
答え 120 通り
間違えやすい点
- n! で計算してしまう。
- 6! = 720 としてしまう。
似た型との違い
直線の並べ方 n! との違いは、回転で重なる分を除いている点。
5. 同じものを含む順列の型 ★入試頻出
使う問題
「同じ文字を含む」「同じ色の玉を含む」並べ方。ALL、BANANA のような単語。
考え方
まず全部を区別して並べ、同じものどうしの入れかえ(k!)で割る。
手順
- すべてを区別して並べる:n!
- 同じものの個数の階乗でわる
- n!/(p!·q!·r!)
例題
問題 AABBC の 5 文字を 1 列に並べる方法は何通りか。
- 全部区別すると 5! = 120
- A が 2 個、B が 2 個なので 2! × 2! = 4 でわる
- 120 ÷ 4 = 30
答え 30 通り
間違えやすい点
- わる数に、同じものの階乗を入れ忘れる。
- わる数を片方の文字だけにする。
似た型との違い
同じものがなければ通常の順列 n!。
6. 隣り合う並べ方の型 ★入試頻出
使う問題
「A と B が隣り合う」「男子が続いて並ぶ」。
考え方
隣り合うものを 1 つのまとまりと見て並べ、まとまりの中の並べ方を掛ける。
手順
- 隣り合う人をひとまとめ(1 つの塊)にする
- 塊を 1 人と見て、全体の並べ方を数える
- 塊の中の並べ方 r! をかける
例題
問題 5 人が 1 列に並ぶとき、A と B が隣り合う並べ方は何通りか。
- A, B をまとめて 1 つと見る → 4 つを並べる 4! = 24
- まとまりの中の並び方 2 通り
- 24 × 2 = 48
答え 48 通り
間違えやすい点
- 塊の中の入れ替え r! をかけ忘れる。
- まとまりの中の並び方(×2)を忘れる。
似た型との違い
隣り合わない並べ方は、全体から引く、または間に入れる方法がある。
7. 隣り合わない並べ方の型 ★入試頻出
使う問題
「A と B が隣り合わない」「間に 1 人以上入る」。
考え方
先に残りの人を並べ、すき間に 2 人を入れる。または全体 − 隣り合う場合。
手順
- 先に、制限のないものを並べる
- その間と両端に、隣り合わないものを入れる(入れる場所の数を数える)
- (並べ方)×(入れ方)。「全体−隣り合う」でもよい
例題
問題 5 人が 1 列に並ぶとき、A と B が隣り合わない並べ方は何通りか。
- 全体 5! = 120
- 隣り合う並べ方は 48 通り
- 120 − 48 = 72
答え 72 通り
間違えやすい点
- 入れる場所の数 (n+1) を数え間違える。
似た型との違い
「隣り合う型」と並べて使う。余事象でも、すき間を使っても答えは同じ。
8. 最短経路の型 ★入試頻出
使う問題
「碁盤の目の道を最短で進む経路」。右へ a 回、上へ b 回など。
考え方
右へ a 回、上へ b 回の並べ方なので、同じものを含む順列と同じ。通れない点があれば、その点を通る経路を引く。
手順
- 右 a 回・上 b 回の並べ方 (a+b)Ca が経路数
- 通る点で区切って、区間ごとの経路数を求める
- 区間ごとの積。「通らない」は全体−通る場合
例題
問題 右へ 3 回、上へ 2 回進んで A から B まで行く最短経路は何通りか。
- 右 3 回・上 2 回の並べ方
- 5!/(3! 2!) = 10
答え 10 通り
間違えやすい点
- 区間ごとの経路数を、積でなく和にする。
似た型との違い
同じものを含む順列の応用。通れない道がある場合は余事象。
9. サイコロの目の出方の型
使う問題
「大小 2 個のサイコロ」「目の和・積・差が…になる目の出方は何通りか」。
考え方
サイコロを区別するので (大, 小) の組を表にして数える。「積が奇数 ⇔ すべて奇数」のように条件をやさしく言いかえる。
手順
- 大・小(大・中・小)を区別して、表や樹形図でもれなく数える
- 条件をより単純な言いかえにする(積が奇数 ⇔ すべて奇数 など)
- (1, 2) と (2, 1) は別の出方として数える
例題
問題 大小 2 個のサイコロを投げて、目の和が 7 になる目の出方は何通りか。
- 表をつくる:(1,6) (2,5) (3,4) (4,3) (5,2) (6,1)
- 6 通り
答え 6 通り
間違えやすい点
- (1, 2) と (2, 1) を同じ出方として数える。
- (1, 6) と (6, 1) を同じものとして 1 通りに数える。
似た型との違い
「確率」の分子になる場合の数。分母(全体 36)と一緒に考える。
10. 重複順列の型
使う問題
「同じものを何度使ってもよい」「重複を許す」「ボールを箱に入れる(空の箱があってよい)」。
考え方
各位置(または各ボール)に独立に選び方があるので掛け算になる。n 個から r 回選ぶと n^r。
手順
- 「同じものを何度でも使える」と読めたら、各位置で選び方を掛ける
- n 個から r 回選ぶ:n<sup>r</sup> 通り
- 先頭に 0 が来られない、などの条件は先に処理する
例題
問題 数字 1, 2, 3 を使って(何度でも使える)3 桁の整数は何個できるか。
- 各位に 3 通りずつ
- 3 × 3 × 3 = 27
答え 27 個
間違えやすい点
- 順列 nPr を使ってしまう、「だれが主役か」(ボール→箱)を取りちがえる。
- 順列 nPr で計算する。
似た型との違い
重複を許さない場合は順列 nPr。「ボールを箱に」は箱でなくボールが主役。
11. 整数をつくる型
使う問題
「数字のカードから○枚を並べて整数をつくる」。偶数・奇数・倍数が条件になる。
考え方
条件の強い位(先頭が 0 でない、一の位が偶数など)から先に決める。0 が絡むときは場合分け。
手順
- 条件の強い位(一の位が偶数・先頭が 0 でない など)から先に決める
- 0 を使うときは「一の位が 0」と「0 以外」に場合分けする
- 各位の選び方を掛け、場合ごとに足す
例題
問題 1, 2, 3, 4 のカードから 2 枚を並べてできる 2 桁の偶数は何個か。
- 一の位が 2 か 4 の 2 通り
- 十の位は残り 3 通り
- 2 × 3 = 6
答え 6 個
間違えやすい点
- 先頭が 0 の並びを数えてしまう、場合分けで重複して数える。
- 先頭が 0 の並びを数えてしまう。
似た型との違い
「重複順列の型」と違い、同じ数字を 2 回使わない(カードは 1 枚ずつ)。
12. 組分けの型
使う問題
「○人を A 組・B 組…に分ける」。人数の指定がある。
考え方
組に名前があれば、組合せを順に掛ける。同じ人数の組が複数あって区別しないなら、その個数の階乗でわる。
手順
- 組に名前が付く(区別できる)なら、組合せを順に掛ける
- 同じ人数の組が k 個あって区別しないときは k! でわる
- 「少なくとも 1 人ずつ」は全体から空の組の場合を引く
例題
問題 6 人を 2 人、2 人、2 人の 3 つの組に分ける(組の区別なし)方法は何通りか。
- 組を区別すると 6C2 × 4C2 × 2C2 = 15 × 6 × 1 = 90
- 同じ人数の組が 3 つなので 3! = 6 でわる
- 90 ÷ 6 = 15
答え 15 通り
間違えやすい点
- 同じ人数の組を区別しないのに、k! でわり忘れる。
- 同じ人数の組なのに、わり算を忘れる。
似た型との違い
組に名前(A 組、B 組)があれば、わる必要はない。
13. 図形の個数の型
使う問題
「円周上の点から三角形」「正多角形の対角線」「直線で囲まれる長方形」。
考え方
図形の個数は、頂点や線を「選ぶ組合せ」で数える。一直線上の点があるときは、その分を引く。
手順
- 図形は「頂点・辺を選ぶ」組合せで数える
- 三角形は 3 点、対角線は 2 点−辺の数、長方形は縦 2 本×横 2 本
- 一直線上の点・同じ直線は重なりを引く/足す
例題
問題 正 7 角形の対角線は何本あるか。
- 頂点を結ぶ線分:7C2 = 21 本
- そのうち辺が 7 本
- 21 − 7 = 14
答え 14 本
間違えやすい点
- 一直線上の 3 点を三角形に数える、対角線から辺を引き忘れる。
- 辺を引き忘れる。
似た型との違い
「図形の性質」ではなく、組合せ nCr の応用問題。
この単元を練習する
型を読んだら、実際に手を動かして定着させましょう。アプリでは、それぞれの型の問題が数値を変えて何度でも出題されます。同じ型で3回連続正解すると「定着」になります。