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数学Ⅰ「図形と計量」解き方の型 12選

最終更新:2026-10-15 / 執筆:すまげんちゃんねる

図形と計量は、正弦定理・余弦定理・三角形の面積を使って、辺や角を求める単元です。

「何がわかっていて、何を求めるか」で使う定理が決まります。2辺と間の角なら余弦定理、外接円の半径が関わるなら正弦定理、というように入口で型を決めましょう。

このページでは、図形と計量でよく使う解き方を 12 個の「型」に分け、それぞれ「使う問題・考え方・手順・例題・間違えやすい点・似た型との違い」の順に解説します。例題と解説はすべて当サイトのオリジナルです。

1. 正弦定理の型

使う問題

三角形で「1 つの辺とその向かいの角」の組が分かっている。外接円の半径が出てくることもある。

考え方

正弦定理 a/sinA = b/sinB = 2R。向かい合う「辺と角」のペアを 1 組見つければ、他の辺が出せる。

手順

  1. 「辺と、その対角」のペアを 2 組見つける(a と A、b と B)
  2. 内角の和 180° で、足りない角を先に求める
  3. a/sin A=b/sin B を変形して、求める辺に代入する

例題

問題 △ABC で A = 45°、B = 60°、a = √2 のとき b を求めよ。

  1. a/sinA = b/sinB より √2/sin45° = b/sin60°
  2. b = √2 × (√3/2) ÷ (√2/2) = √3

答え b = √3

間違えやすい点

  • 辺と角の対応を取り違える(a の対角は A)。

似た型との違い

余弦定理は「2 辺とはさむ角」「3 辺」が分かっているときに使う。

2. 余弦定理の型

使う問題

2 辺とその間の角が分かっている、または 3 辺が分かっていて角を求めたい。

考え方

余弦定理 a² = b² + c² − 2bc·cosA。三平方の定理の「角度つき版」と考える。

手順

  1. 2 辺とその間の角がわかっているか確認する
  2. a²=b²+c²−2bc cos A に代入して a² を求める
  3. 辺の長さなので √ をとって正の値を答える

例題

問題 △ABC で b = 3、c = 5、A = 60° のとき a を求めよ。

  1. a² = 9 + 25 − 2·3·5·cos60° = 34 − 15 = 19
  2. a = √19

答え a = √19

間違えやすい点

  • −2bc cos A の符号、鈍角の cos の符号。
  • −2bc·cosA の符号を忘れる。

似た型との違い

向かい合う辺と角の組が見えるなら正弦定理、はさむ角なら余弦定理。

3. 面積(2辺と間の角)の型

使う問題

2 辺とその間の角が分かっていて、面積を聞かれる。

考え方

三角形の面積は ½·ab·sinC。底辺 × 高さを、角度で高さを作って表した式。

手順

  1. 2 辺とその間の角を確認する
  2. S=½ bc sin A に代入する
  3. cos しかわからないときは sin²+cos²=1 で sin A を出す(0°<A<180° なので正)

例題

問題 △ABC で b = 4、c = 6、A = 30° のとき面積を求めよ。

  1. S = ½ · 4 · 6 · sin30° = 12 × ½
  2. = 6

答え 6

間違えやすい点

  • 「間の角」でない角を使ってしまう。

似た型との違い

3 辺しか分からないときは「面積(3 辺)」を使う。

4. 面積(3辺)の型

使う問題

3 辺の長さだけが分かっていて、面積を聞かれる(直角三角形ではない)。

考え方

ヘロンの公式 S = √(s(s−a)(s−b)(s−c)) [s は周の半分]。または余弦定理で cos、sin を出して ½bc·sinA。

手順

  1. 余弦定理で cos A を求める
  2. sin A=√(1−cos²A)(正の値)を求める
  3. S=½ bc sin A(またはヘロンの公式 S=√(s(s−a)(s−b)(s−c)))

例題

問題 3 辺が 5、6、7 の三角形の面積を求めよ。

  1. s = (5 + 6 + 7)/2 = 9
  2. S = √(9 · 4 · 3 · 2) = √216 = 6√6

答え 6√6

間違えやすい点

  • ヘロンの公式の s は周の半分 (a+b+c)/2。

似た型との違い

同じ単元の他の型とは、問題文の入口で見分けます。この型は「3 辺の長さだけが分かっていて、面積を聞かれる(直角三角形ではない)。」が目印です。目印に当てはまらないときは、上の目次から他の型の「使う問題」を見比べてください。

5. 外接円の半径の型 ★入試頻出

使う問題

外接円の半径 R を求める。1 つの辺とその向かいの角が分かる。

考え方

正弦定理 a/sinA = 2R より R = a/(2sinA)。

手順

  1. 辺とその対角のペアを見つける
  2. a/sin A=2R から R=a/(2 sin A)
  3. 2R は直径。R は半径

例題

問題 △ABC で a = 3、A = 30° のとき外接円の半径 R を求めよ。

  1. R = a/(2 sinA) = 3/(2 × 1/2)
  2. = 3

答え R = 3

間違えやすい点

  • 2R と R を取り違える。

似た型との違い

内接円の半径は面積を使う型、外接円は正弦定理の型。

6. 3辺から R・r を求める型 ★入試頻出

使う問題

3 辺から外接円の半径 R と内接円の半径 r を求める。

考え方

R は面積 S を使って R = abc/(4S)。r は S = ½r(a+b+c) から r = 2S/(a+b+c)。

手順

  1. 3 辺から面積 S を求める(ヘロンの公式など)
  2. 外接円:S=abc/(4R) から R=abc/(4S)
  3. 内接円:S=½ r(a+b+c) から r=2S/(a+b+c)

例題

問題 3 辺が 3、4、5 の三角形の R と r を求めよ。

  1. 面積 S = ½·3·4 = 6
  2. R = abc/(4S) = 60/24 = 5/2
  3. r = 2S/(a+b+c) = 12/12 = 1

答え R = 5/2、r = 1

間違えやすい点

  • 内接円で (a+b+c) の ½ を忘れる。

似た型との違い

同じ単元の他の型とは、問題文の入口で見分けます。この型は「3 辺から外接円の半径 R と内接円の半径 r を求める。」が目印です。目印に当てはまらないときは、上の目次から他の型の「使う問題」を見比べてください。

7. 3辺から角を求める型 ★入試頻出

使う問題

3 辺が分かっていて、角の大きさ(または cos の値)を求める。

考え方

余弦定理を cosA = (b²+c²−a²)/2bc の形にして使う。cos の符号で鋭角・直角・鈍角が分かる。

手順

  1. 余弦定理 cos A=(b²+c²−a²)/(2bc)
  2. sin A が必要なら sin²A+cos²A=1(0°<A<180° なので正)
  3. a の対角が A、と対応を確認する

例題

問題 3 辺が a = 7、b = 3、c = 5 のとき ∠A の大きさを求めよ。

  1. cosA = (9 + 25 − 49)/(2·3·5) = −15/30 = −1/2
  2. A = 120°

答え 120°

間違えやすい点

  • 分子 b²+c²−a² で、引く辺を間違える。

似た型との違い

余弦定理の型の「逆向き」(辺から角を出す)。

8. 三角形の成立条件の型

使う問題

「3 辺が x, x+2, x+5 の三角形が存在するような x の範囲」。辺の長さに文字がある。

考え方

三角形が成り立つ条件は「最大の辺 < 他の 2 辺の和」。差 < 第 3 辺 < 和 と覚える。

手順

  1. 成立条件:最大の辺 < 他の 2 辺の和(「差 < 第 3 辺 < 和」)
  2. 文字を含む辺について不等式をつくり、範囲を出す
  3. 端の値は含まないことに注意して、条件に合う整数を数える

例題

問題 3 辺が 4、7、x の三角形が存在するような整数 x は何個か。

  1. 3 < x < 11
  2. 整数は 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10 の 7 個

答え 7 個

間違えやすい点

  • 端(差・和と等しい値)を含めてしまう。
  • 端の値(3 や 11)まで数えてしまう。

似た型との違い

余弦定理の型とは違い、長さの範囲だけを調べる。

9. 円に内接する四角形の型

使う問題

「円に内接する四角形」で、4 辺の長さから角や対角線を求める。

考え方

対角線を 1 本引いて 2 つの三角形に余弦定理を使う。内接四角形は対角の和が 180° なので cos の符号が逆になる。

手順

  1. 対角線を 1 本引き、2 つの三角形に余弦定理を使う
  2. 内接四角形は対角の和が 180° なので cosC = −cosA
  3. 同じ対角線の長さを 2 通りに表して等式にする

例題

問題 円に内接する四角形 ABCD で AB = 2、BC = 3、CD = 2、DA = 3 のとき cos∠A を求めよ。

  1. BD² = 2² + 3² − 2·2·3cosA = 13 − 12cosA
  2. ∠C = 180° − ∠A なので BD² = 3² + 2² + 2·3·2cosA = 13 + 12cosA
  3. 2 式を比べて cosA = 0

答え cosA = 0

間違えやすい点

  • 対角の cos の符号を同じにしてしまう。

似た型との違い

余弦定理を 2 回使い、対角の cos が符号違いになる点が特徴。

10. 測量(高さ・距離)の型

使う問題

「塔の高さ」「川幅」「仰角」「見上げる角」が出てくる測量の文章題。

考え方

文章を直角三角形の図にする。高さ=水平距離×tan、水平距離=高さ÷tan。2 地点から測るときは高さ h を文字にする。

手順

  1. 問題文から直角三角形(水平距離・高さ・仰角)を図にかく
  2. 高さ = 水平距離 × tan、距離 = 高さ ÷ tan
  3. 2 地点からのときは、高さ h を文字にして 2 つの距離を h で表す

例題

問題 塔の根元から 20 m 離れた地点から先端を見上げた角が 30° のとき、塔の高さを求めよ(目の高さは無視)。

  1. 高さ = 水平距離 × tan30° = 20 × √3/3
  2. = 20√3/3 m

答え 20√3/3 m

間違えやすい点

  • tan をかける・わるを逆にする。
  • tan を掛けるのか割るのかを逆にする。

似た型との違い

正弦定理・余弦定理を使うこともあるが、直角三角形が見えるなら tan だけで十分。

11. 直方体・立方体の型

使う問題

直方体・立方体が出てきて、対角線の長さや空間の三角形の面積を聞かれる。

考え方

平面に落として直角三角形を作る。直方体の対角線は √(縦²+横²+高さ²)。空間の三角形も、辺の長さを三平方の定理で出す。

手順

  1. 面の対角線 → 三平方の定理を 2 回使って空間の対角線を求める(√(a²+b²+c²))
  2. 空間の三角形は、辺の長さを三平方の定理で出してから余弦定理・面積へ
  3. 求めた値が √ のときは、根号の中を簡単にして答える

例題

問題 3 辺が 1、2、2 の直方体の対角線の長さを求めよ。

  1. √(1² + 2² + 2²) = √9
  2. = 3

答え 3

間違えやすい点

  • 3 辺を 2 乗して足したあとの √ を忘れる。

似た型との違い

平面の三平方の定理を 2 回使った公式と考える。

12. 錐体の高さと体積の型

使う問題

正四角錐・正四面体・円錐の「高さ」や「体積」を求める。

考え方

頂点から底面へ垂線を下ろし、垂線の足(中心・重心)を決める。そこでできる直角三角形で高さを出し、体積は (1/3)×底面積×高さ。

手順

  1. 頂点から底面へ垂線を下ろし、垂線の足の位置を決める(中心・重心)
  2. 高さを直角三角形の三平方の定理で求める
  3. 体積 V = (1/3) × 底面積 × 高さ

例題

問題 底面が 1 辺 4 の正方形、側面の辺がすべて 6 の正四角錐の高さ h を求めよ。

  1. 底面の対角線の半分 = 4√2/2 = 2√2
  2. h² = 6² − (2√2)² = 36 − 8 = 28
  3. h = 2√7

答え h = 2√7

間違えやすい点

  • 1/3 を掛け忘れる、垂線の足までの長さを間違える。
  • 垂線の足を底面の中心ではなく頂点と取りちがえる。

似た型との違い

平面図形の問題と違い、「どの直角三角形を取り出すか」を決める力が必要。

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