数学A「図形の性質」解き方の型 14選
図形の性質は、三角形の五心、チェバ・メネラウスの定理、円の性質(方べき・接線)などを扱います。
図をかいて、どの定理を当てはめるかを決めるのが最初の一歩です。比の問題では、どの三角形とどの直線に注目するかを図に書き込みながら進めましょう。
このページでは、図形の性質でよく使う解き方を 14 個の「型」に分け、それぞれ「使う問題・考え方・手順・例題・間違えやすい点・似た型との違い」の順に解説します。例題と解説はすべて当サイトのオリジナルです。
1. 平行線と比の型
使う問題
「DE ∥ BC」と平行線があり、辺の長さの比から長さを求める。
考え方
平行線で切られた線分の比は等しい。AD : AB = AE : AC = DE : BC。
手順
- 平行線をはさむ相似な三角形を見つける
- AD:AB=DE:BC=AE:AC(対応する辺の比)
- 比例式を解く(内項の積=外項の積)
例題
問題 △ABC で DE ∥ BC、AD = 3、DB = 2、BC = 10 のとき DE を求めよ。
- AD : AB = 3 : 5
- DE = BC × 3/5 = 6
答え 6
間違えやすい点
- AD:DB と AD:AB を取り違える。
- AD : DB を AD : AB と取りちがえる。
似た型との違い
分子・分母の対応(どの比を使うか)を取りちがえやすい。
2. 角の二等分線の型
使う問題
「∠A の二等分線が BC と D で交わる」。
考え方
角の二等分線は、対辺を「となり合う 2 辺の比」に分ける。BD : DC = AB : AC。
手順
- 角の二等分線は、対辺を「ほかの 2 辺の比」に分ける
- BD:DC=AB:AC
- BD+DC=BC から長さを求める
例題
問題 △ABC で AB = 6、AC = 4、BC = 5 のとき、∠A の二等分線が BC と交わる点 D について BD を求めよ。
- BD : DC = 6 : 4 = 3 : 2
- BD = 5 × 3/5 = 3
答え 3
間違えやすい点
- AB:AC を逆にして BD:DC=AC:AB とする。
似た型との違い
外角の二等分線の型とは外分になる点が違う。
3. 方べきの定理の型
使う問題
「円と 2 本の直線(弦・割線)が 1 点 P で交わる」。
考え方
方べきの定理 PA·PB = PC·PD。外部の点では、PB を PA + AB として扱う。
手順
- 点 P が円の内か外かを確認する
- 2 本の弦(または割線)で PA·PB=PC·PD
- 外部のとき PB=PA+AB に注意して代入する
例題
問題 円の内部の点 P を通る 2 本の弦 AB, CD で PA = 2、PB = 6、PC = 3 のとき PD を求めよ。
- PA·PB = PC·PD
- 2 × 6 = 3 × PD より PD = 4
答え 4
間違えやすい点
- 外部で PB を PA+AB にし忘れる。
似た型との違い
接線の型は「接線の長さ²=割線の積」。
4. 接線と割線の型
使う問題
「円の外の点 P から接線 PT と割線 PAB を引く」。
考え方
PT² = PA·PB(接線の長さの 2 乗 = 割線の外側と全体の積)。
手順
- 接線 PT と割線 PAB で PT²=PA·PB
- PB=PA+AB を使う
- 長さを求めるときは √ をとる
例題
問題 円外の点 P から接線 PT と割線 PAB を引く。PA = 2、PB = 8 のとき PT を求めよ。
- PT² = PA·PB = 2 × 8 = 16
- PT = 4
答え 4
間違えやすい点
- PT²=PA·PB を PT=PA·PB としてしまう。
- PT² を PT と取りちがえる。
似た型との違い
方べきの定理の特別な場合(弦の片方が接線になる)。
5. 内接円と接線の長さの型
使う問題
「内接円と三角形の辺が接する点」。接点から頂点までの長さ。
考え方
円の外の 1 点から引いた 2 本の接線の長さは等しい。3 つの頂点から接点までの長さを x, y, z とおいて連立する。
手順
- 円の外の 1 点から引いた 2 本の接線の長さは等しい
- 頂点から接点までの長さを x, y, z とおく
- x+y, y+z, z+x が 3 辺になる → 連立して解く
例題
問題 △ABC の内接円が AB, BC, CA と接する点をそれぞれ P, Q, R とする。AB = 7、BC = 8、CA = 5 のとき AP を求めよ。
- AP = AR = x、BP = BQ = y、CQ = CR = z
- x + y = 7、y + z = 8、z + x = 5
- 辺々を足して x + y + z = 10、x = 10 − 8 = 2
答え 2
間違えやすい点
- 3 辺と x+y, y+z, z+x の対応を間違える。
似た型との違い
内接円の半径は面積を使う型とセットで出る。
6. 重心の型
使う問題
「重心」「中線」「2 : 1 に分ける」。
考え方
重心は中線を頂点側から 2 : 1 に内分する。中線の長さは座標や中線定理で出す。
手順
- 重心は中線を頂点側から 2:1 に分ける
- 中線の長さを中線定理(または座標)で求める
- AG=(2/3)·AD
例題
問題 中線 AM の長さが 9 のとき、頂点 A から重心 G までの長さは。
- AG : GM = 2 : 1
- AG = 9 × 2/3 = 6
答え 6
間違えやすい点
- 2:1 の向き(頂点側が 2)を逆にする。
- 2 : 1 の向きを逆にする。
似た型との違い
2 : 1 の向き(頂点側が 2)を取りちがえない。
7. 内接円の半径の型
使う問題
「内接円の半径を求めよ」。3 辺が分かっている。
考え方
三角形の面積 S = ½r(a+b+c)。S を別の方法で出して r を求める。
手順
- 3 辺から面積 S を求める(ヘロンの公式など)
- S=½ r(a+b+c)
- r=2S/(a+b+c)
例題
問題 3 辺が 3, 4, 5 の三角形の内接円の半径は。
- 面積 S = ½·3·4 = 6
- 6 = ½ r (3 + 4 + 5) より r = 1
答え 1
間違えやすい点
- (a+b+c) の ½ を忘れる。
- ½ を忘れて r = S/(a+b+c) としてしまう。
似た型との違い
外接円の半径は正弦定理を使う。
8. チェバ・メネラウスの型 ★入試頻出
使う問題
「3 点が一直線上にある」「3 直線が 1 点で交わる」という条件の比を求める。
考え方
メネラウスの定理は 3 点が一直線上、チェバの定理は 3 直線が 1 点で交わる。分数は頂点→分点→頂点と一周するように書く。
手順
- 3 点が 1 直線上なら メネラウスの定理=1
- 3 直線が 1 点で交わるなら チェバの定理=1
- 分数は頂点→分点→頂点と一周するように書く
例題
問題 △ABC の辺 AB 上に点 D、辺 AC 上に点 E があり、AD : DB = 1 : 2、AE : EC = 2 : 3 とする。BE と CD の交点を P とするとき、BP : PE を求めよ。
- メネラウスの定理を △ABE と直線 DPC に使う
- (AD/DB)(BP/PE)(EC/CA) = 1
- (1/2)(BP/PE)(3/5) = 1 より BP/PE = 10/3
答え 10 : 3
間違えやすい点
- 比の向き(分子・分母)を逆に書く。
似た型との違い
図が複雑なときは三角形を 1 つ決めて、その三角形に直線を当てる。
9. 面積比の型 ★入試頻出
使う問題
「面積の比」「高さが等しい三角形」「△ADE と △ABC の面積比」。
考え方
高さが同じなら面積比は底辺の比。2 辺を共有する三角形は (AD/AB)×(AE/AC)。
手順
- 高さが等しい三角形の面積比=底辺の比
- △ADE/△ABC=(AD/AB)×(AE/AC)
- 残りの面積は、全体から引いて求める
例題
問題 △ABC で AB 上に D、AC 上に E があり AD/AB = 1/2、AE/AC = 1/3 のとき △ADE : △ABC は。
- 面積比 = (AD/AB) × (AE/AC) = 1/2 × 1/3
- = 1/6
答え 1 : 6
間違えやすい点
- AD/AB でなく AD/DB を使ってしまう。
- AD/DB と AD/AB を取りちがえる。
似た型との違い
三角形の面積比は、底辺と高さの組み合わせで考える。
10. 三角形・多角形の角の型
使う問題
「三角形の外角」「二等辺三角形の底角」「内心・外心のつく角」。
考え方
三角形の内角の和は 180°、外角は内側の 2 角の和。内心・外心の角は決まった公式で出る。
手順
- 外角は、となり合わない 2 つの内角の和(内角の和は 180°)
- 二等辺三角形は底角が等しい。内心・外心では「∠BIC = 90°+A/2」「中心角 = 2×円周角」
- n 角形の内角の和は 180°×(n−2)
例題
問題 △ABC で ∠A = 40°、∠B = 70° のとき、∠C の外角を求めよ。
- 外角 = 内側にならない 2 角の和
- 40° + 70° = 110°
答え 110°
間違えやすい点
- 外心の角で、円周角と中心角(2 倍の関係)を取りちがえる。
- 外角を内角の和 180° から引き忘れる。
似た型との違い
内角の和から出す方法と、外角の性質を使う方法がある。
11. 円周角・接弦定理の型
使う問題
「円周角」「中心角」「内接四角形」「接線と弦のなす角」。
考え方
同じ弧に対する円周角は等しく、中心角は円周角の 2 倍。内接四角形の対角の和は 180°。
手順
- 同じ弧に対する円周角は等しく、中心角はその 2 倍
- 内接四角形は対角の和が 180°、直径に対する円周角は 90°
- 接線と弦のなす角は、その弧に対する円周角に等しい(接弦定理)
例題
問題 円周上の点 A, B, C で弧 BC に対する中心角が 100° のとき、円周角 ∠BAC は。
- 円周角 = 中心角の半分
- 100° ÷ 2 = 50°
答え 50°
間違えやすい点
- 接弦定理で、どちら側の弧に対する円周角かを取りちがえる。
- 中心角と円周角の倍関係を取りちがえる。
似た型との違い
接弦定理は、接線と弦のなす角と円周角が等しいことを使う。
12. 相似比と面積比・体積比の型
使う問題
「相似な図形」「相似比」「面積比」「体積比」。
考え方
相似比が a : b なら、面積比は a² : b²、体積比は a³ : b³。
手順
- 相似比を a : b と決める
- 面積比は a² : b²、体積比は a³ : b³
- 「切り取った残り」は、全体から引いて求める
例題
問題 相似比 2 : 3 の 2 つの図形で、小さい方の面積が 8 のとき、大きい方の面積は。
- 面積比 = 2² : 3² = 4 : 9
- 8 × 9/4 = 18
答え 18
間違えやすい点
- 面積に相似比(1 乗)をそのまま掛ける。
- 面積に相似比(1 乗)をそのまま使う。
似た型との違い
平行線の比の型より、図形全体の比を扱う。
13. 多面体の型
使う問題
「多面体の頂点・辺・面の数」。
考え方
へこみのない多面体では 頂点 − 辺 + 面 = 2(オイラーの多面体定理)。数えたあとで検算にも使える。
手順
- へこみのない多面体では 頂点 − 辺 + 面 = 2(オイラーの多面体定理)
- 角柱・角錐は頂点・辺・面を数えて、オイラーの定理で検算する
- 正多面体は面の形(正三角形など)から辺の数も確認する
例題
問題 正八面体の頂点の数は 6、面の数は 8。辺の数を求めよ。
- 6 − 辺 + 8 = 2
- 辺 = 12
答え 12
間違えやすい点
- 辺を重複して数える、検算をしない。
- 辺の数を二重に数える。
似た型との違い
正多面体の個々の数は、この定理で整合性を確かめられる。
14. 内角・外角の二等分線の型 ★入試頻出
使う問題
「内角の二等分線と外角の二等分線」がともに出てくる。
考え方
内角の二等分線は対辺を AB : AC に内分、外角の二等分線は AB : AC に外分する。数直線で位置を出すと差が分かる。
手順
- 内角の二等分線:対辺を AB : AC に内分する
- 外角の二等分線:対辺の延長を AB : AC に外分する(AB ≠ AC のとき)
- 数直線で B を原点にして位置を出すと、内分点・外分点の差が分かる
例題
問題 △ABC で AB = 4、AC = 2、BC = 5 とするとき、∠A の外角の二等分線が直線 BC と交わる点 E について BE を求めよ。
- BE : EC = AB : AC = 2 : 1(外分)
- 外分点なので BE = BC × 2/(2 − 1) = 10
答え 10
間違えやすい点
- 外分を内分と同じ式(和)で計算する。
- 外分を内分と同じ式(和)で計算する。
似た型との違い
内角の二等分線の型(内分)との違いは、外分は「差」で考える点。
この単元を練習する
型を読んだら、実際に手を動かして定着させましょう。アプリでは、それぞれの型の問題が数値を変えて何度でも出題されます。同じ型で3回連続正解すると「定着」になります。