数学A「整数の性質」解き方の型 16選
整数の性質は、約数・倍数・最大公約数・ユークリッドの互除法・不定方程式・n進法などを扱います。
どの問題も「割り算の余り」と「素因数分解」が出発点です。手順がはっきりしている型が多いので、型どおりに進めれば確実に得点できる単元です。
このページでは、整数の性質でよく使う解き方を 16 個の「型」に分け、それぞれ「使う問題・考え方・手順・例題・間違えやすい点・似た型との違い」の順に解説します。例題と解説はすべて当サイトのオリジナルです。
1. 最大公約数・最小公倍数の型
使う問題
「最大公約数」「最小公倍数」「2 数の積と GCD・LCM の関係」。
考え方
素因数分解して、共通の素因数を小さい方の指数で(GCD)、全部を大きい方の指数で(LCM)。
手順
- それぞれを素因数分解する
- 最大公約数=共通の素因数の(小さい方の)指数の積
- 最小公倍数=すべての素因数の(大きい方の)指数の積。a×b=G×L
例題
問題 12 と 18 の最大公約数と最小公倍数を求めよ。
- 12 = 2² × 3、18 = 2 × 3²
- GCD = 2 × 3 = 6、LCM = 2² × 3² = 36
答え GCD 6、LCM 36
間違えやすい点
- 指数の大小の取り違え。
似た型との違い
ab = GCD × LCM という関係も使える。
2. 余りの計算の型
使う問題
「n で割った余りを求めよ」。大きな数のべき乗や積。
考え方
余りだけを取り出して計算する。「余りの積の余り=積の余り」。
手順
- a≡r (mod m) の形に、余りで置き換える
- 積・累乗は余りどうしで計算し、そのつど m でわった余りにする
- 累乗は周期を見つけると速い
例題
問題 7¹⁰⁰ を 6 でわった余りを求めよ。
- 7 を 6 でわった余りは 1
- 1¹⁰⁰ = 1 なので余りは 1
答え 1
間違えやすい点
- 大きな数をそのまま計算してしまう。
- 余りどうしの計算結果をそのまま答える。
似た型との違い
周期の型は余りがくり返すパターンを探す。
3. 約数の個数・総和の型
使う問題
「約数の個数」「約数の総和」。
考え方
素因数分解 p^a·q^b·… すると約数の個数は (a+1)(b+1)…。総和は各素数のべき乗の和の積。
手順
- n=pᵃqᵇ… と素因数分解する
- 個数=(a+1)(b+1)…
- 総和=(1+p+…+pᵃ)(1+q+…+qᵇ)…
例題
問題 36 の約数の個数と総和を求めよ。
- 36 = 2² × 3²
- 個数 = 3 × 3 = 9
- 総和 = (1 + 2 + 4)(1 + 3 + 9) = 91
答え 個数 9、総和 91
間違えやすい点
- (a+1) でなく a をかけてしまう。
- 指数に 1 を足すのを忘れる。
似た型との違い
最大公約数・最小公倍数も、素因数分解で一緒に処理できる。
4. 互除法の型
使う問題
「互除法で最大公約数を求めよ」。大きな 2 数。
考え方
a = bq + r のとき GCD(a, b) = GCD(b, r)。余りが 0 になるまで繰り返す。
手順
- 大きい数÷小さい数 の余りを求める
- わる数と余りで同じ操作を、余りが 0 になるまで繰り返す
- 最後のわる数が最大公約数
例題
問題 互除法で 84 と 36 の最大公約数を求めよ。
- 84 = 36 × 2 + 12
- 36 = 12 × 3 + 0
- 最大公約数 12
答え 12
間違えやすい点
- 割り算の回数の数え方(余り 0 の回も 1 回)。
似た型との違い
素因数分解より、大きい数で速い。
5. 10進法 → n進法の型
使う問題
「10 進数 N を n 進法で表せ」。
考え方
N を n でわって余りを書き、商が 0 になるまで繰り返す。余りを下から上へ並べる。
手順
- n でわって、商と余りを求める
- 商が 0 になるまで、わり算を繰り返す
- 余りを下(最後)から順に並べる
例題
問題 10 進数の 25 を 2 進法で表せ。
- 25 ÷ 2 = 12 あまり 1
- 12 ÷ 2 = 6 あまり 0、6 ÷ 2 = 3 あまり 0、3 ÷ 2 = 1 あまり 1、1 ÷ 2 = 0 あまり 1
- 余りを下から並べて 11001
答え 11001₍₂₎
間違えやすい点
- 余りを逆順に並べない。
- 余りを上から並べて逆順に書く。
似た型との違い
逆向きは「n 進法 → 10 進数」。
6. n進法 → 10進法の型
使う問題
「n 進法の数を 10 進法で表せ」。
考え方
各位の数に、その位の重み(n の累乗)を掛けて足す。右端の位の重みが n⁰ = 1。
手順
- 各位の数に、位取り nᵏ をかける
- 一番右の位が n⁰、その左が n¹、n²…
- すべて足して 10 進法で答える
例題
問題 2 進法の 1011 を 10 進法で表せ。
- 1×2³ + 0×2² + 1×2¹ + 1×2⁰
- = 8 + 0 + 2 + 1 = 11
答え 11
間違えやすい点
- 一番右を n¹ にしてしまう(n⁰=1)。
- 位の重みを 2ⁿ ではなく n×2 にしてしまう。
似た型との違い
10 進数 → n 進法の逆の変換。
7. 1次不定方程式の型
使う問題
「ax + by = c を満たす整数 (x, y) を求めよ」。
考え方
まず 1 組の解を見つける(互除法)。一般解は x = x₀ + (b/g)t, y = y₀ − (a/g)t(g は GCD)。
手順
- 特殊解 (x₀, y₀) を 1 つ見つける(互除法 or 目で)
- ax+by=c から a(x−x₀)+b(y−y₀)=0 を作る
- a, b が互いに素なら x=x₀+bk, y=y₀−ak。条件で k を決める
例題
問題 3x + 5y = 1 の整数解を 1 組求めよ。
- x = 2、y = −1 を試すと 3×2 + 5×(−1) = 1
- 解の 1 組:(2, −1)
答え (x, y) = (2, −1)
間違えやすい点
- 一般解の符号、条件(x が最小の正)での k の決め忘れ。
- 係数の最大公約数で c が割り切れるか確かめない。
似た型との違い
互除法の型を使って見つけることもできる。
8. 周期の型 ★入試頻出
使う問題
「べき乗の一の位」「曜日」「周期的に繰り返す余り」。
考え方
余りを順に書き出して周期を見つけ、指数を周期でわった余りで決める。
手順
- aⁿ の余りを n=1, 2, 3… で計算して周期を見つける
- n を周期でわった余りに置き換える
- 指数が累乗のときは、指数を先に周期でわった余りにする
例題
問題 3²⁰ の一の位を求めよ。
- 3, 9, 7, 1, 3, … と 4 周期
- 20 ÷ 4 = 5 あまり 0 → 周期の最後 1
答え 1
間違えやすい点
- 周期の始まりのずれ(n=0 の扱い)。
- 余り 0 のとき周期の最初と取りちがえる。
似た型との違い
余りの型と組み合わせて使う。
9. 整数解は積の形にする型 ★入試頻出
使う問題
「xy − 2x − 3y = 0」のように、積と和が混ざった整数解の問題。
考え方
(x − a)(y − b) = c の形に変形し、c の約数の組で場合分けする。
手順
- x²−y²=(x−y)(x+y) のように積の形にする
- 積が N になる約数の組を書き出す
- 連立して整数解になるものだけ残す(偶奇に注意)
例題
問題 xy − x − y = 5 を満たす自然数 (x, y) を求めよ。
- (x − 1)(y − 1) = 6 と変形
- (x−1, y−1) = (1, 6), (2, 3), (3, 2), (6, 1)
- (x, y) = (2, 7), (3, 4), (4, 3), (7, 2)
答え (2,7)(3,4)(4,3)(7,2)
間違えやすい点
- (x−y) と (x+y) の偶奇が同じという条件を落とす。
似た型との違い
「積の形」にする発想は、因数分解の型と共通。
10. 合同式の応用の型 ★入試頻出
使う問題
「n² を 3 でわった余り」「n が整数のとき…」。
考え方
整数を n = 3k, 3k+1, 3k+2 の 3 つに分け、余りで分類する。
手順
- mod m での逆元などを使い x≡… の形にする
- フェルマーの小定理 a^(p−1)≡1 (mod p) で指数を下げる
- 連立合同式は x=a+mk を 2 つ目に代入する
例題
問題 整数 n を 3 でわった余りが 1 のとき、n² を 3 でわった余りを求めよ。
- n = 3k + 1 とおく
- n² = 9k² + 6k + 1 = 3(3k² + 2k) + 1
答え 1
間違えやすい点
- 逆元の計算ミス、指数の下げ方の誤り。
似た型との違い
「余りと文字式の型」と似るが、こちらは余りで場合分けする応用。
11. 平方数にする型
使う問題
「√(12n) が自然数になる最小の n は?」。
考え方
素因数分解して、すべての指数を偶数にするために足りない素数を掛ける。
手順
- 中の数を素因数分解する
- 平方数 ⇔ すべての素数の指数が偶数
- 指数が奇数の素数の積を掛ければ最小の n になる
例題
問題 √(18n) が自然数になる最小の自然数 n を求めよ。
- 18 = 2 × 3²
- 指数が奇数の素数は 2
- n = 2(√36 = 6)
答え n = 2
間違えやすい点
- 指数が奇数の素数ではなく、全部の素因数を掛けてしまう。
- 指数が奇数でない素数まで掛けてしまう。
似た型との違い
「約数の個数の型」と同じく素因数分解が出発点。
12. 倍数判定法の型
使う問題
「□ にあてはまる数字を求めよ。この整数が 3(または 9, 4, 11)の倍数」。
考え方
各倍数判定法を式にする:3・9 は各位の和、4 は下 2 桁、11 は交互和。□ に 0〜9 を当てはめる。
手順
- 2・5:一の位、4:下 2 桁、3・9:各位の数の和、11:交互和 で判定する
- □ を含む式をつくり、0〜9 を当てはめる
- 複数の条件(6 の倍数など)は、それぞれの条件の共通部分をとる
例題
問題 7□5(3 桁)が 3 の倍数になる □ をすべて求めよ。
- 各位の和 7 + □ + 5 = 12 + □ が 3 の倍数
- □ = 0, 3, 6, 9
答え □ = 0, 3, 6, 9
間違えやすい点
- 複数ある解の一部しか答えない、□ に 0 を入れる場合を見落とす。
- 複数の解の一部しか答えない。
似た型との違い
複数の条件(6 の倍数など)なら、各条件を合わせて考える。
13. 互いに素な数の個数の型
使う問題
「N と互いに素な自然数の個数」。
考え方
N の素因数 p, q, … のどれでも割り切れない数を数える(包除原理)。
手順
- n を素因数分解して素因数 p, q, … を求める
- p, q, … のどれでも割り切れない数を数える(包除原理)
- 個数 = n × (1−1/p) × (1−1/q) × …
例題
問題 1 以上 12 以下で 12 と互いに素な自然数の個数を求めよ。
- 12 = 2² × 3。2 でも 3 でも割り切れない数
- 12 × (1 − 1/2) × (1 − 1/3) = 4
- 1, 5, 7, 11 の 4 個
答え 4 個
間違えやすい点
- 2 つの素因数の公倍数を二重に引いてしまう。
似た型との違い
公約数を調べる型。互除法より個数を数える応用。
14. 余りと文字式の型
使う問題
「a を m でわると余り r。a + b や a² を m でわった余りは?」。
考え方
a = mk + r と置いて代入し、m の倍数部分と余りの部分に分ける。
手順
- 整数を a = m·k + r のように「商と余り」の形でおく
- 式に代入して、m の倍数の部分とそれ以外に分ける
- 余りの部分だけを計算し、必要なら m でさらにわる
例題
問題 整数 a を 5 でわった余りが 3 のとき、a² を 5 でわった余りは。
- a = 5k + 3、a² = 25k² + 30k + 9
- 9 = 5 + 4 なので余りは 4
答え 4
間違えやすい点
- 余りの計算結果が m 以上のとき、そのまま答えにしてしまう。
- 余りの計算結果が m 以上のまま答える。
似た型との違い
「余りの計算の型」を文字式で扱う応用。
15. 循環小数の型 ★入試頻出
使う問題
「循環小数を分数に」「分数を小数にして第 n 位は?」。
考え方
循環の長さ分だけ 10 倍して引き、小数部分を消す。第 n 位は n を周期でわった余りで決める。
手順
- 循環小数を分数に:循環の長さ分だけ 10 倍して引き算し、小数部分を消す
- 分数を小数に:割り算でくり返し部分を見つける
- 第 n 位は、n を循環の長さでわった余りで決める(余り 0 は最後)
例題
問題 0.4545…(45 がくり返す)を分数で表せ。
- x = 0.4545… とおき、100x − x = 45
- 99x = 45 より x = 5/11
答え 5/11
間違えやすい点
- 余りが 0 のとき、最後ではなく 1 番目の数字としてしまう。
- 10 倍する数を 100 ではなく 10 にしてしまう。
似た型との違い
「余りと周期」の考え方を使う。
16. 連続する整数の型 ★入試頻出
使う問題
「連続する 3 つの整数」「連続する自然数の積が…」。
考え方
連続する整数を n, n+1, n+2 などと文字で表し、条件を方程式にする。
手順
- 連続する整数を n, n+1, n+2 などと文字で表す
- 条件を式にして方程式をつくる
- 自然数・整数などの条件で解を絞る
例題
問題 連続する 2 つの自然数の積が 56 のとき、小さい方を求めよ。
- n(n + 1) = 56 → n² + n − 56 = 0
- (n − 7)(n + 8) = 0、n は自然数なので n = 7
答え 7
間違えやすい点
- 自然数の条件を確認せず、負の解も答えてしまう。
- 自然数の条件を確認せず、負の解も答える。
似た型との違い
素因数分解から当たりをつけて確認してもよい。
この単元を練習する
型を読んだら、実際に手を動かして定着させましょう。アプリでは、それぞれの型の問題が数値を変えて何度でも出題されます。同じ型で3回連続正解すると「定着」になります。