数学Ⅰ「2次関数」解き方の型 7選
2次関数は、グラフの頂点・軸・最大最小を中心に出題されます。ほとんどの問題は「平方完成して頂点を出す」ことから始まります。
定義域がついた最大・最小では、軸が定義域のどこにあるかで場合が分かれます。図をかいて軸の位置を確認する習慣が、計算ミスを減らす近道です。
このページでは、2次関数でよく使う解き方を 7 個の「型」に分け、それぞれ「使う問題・考え方・手順・例題・間違えやすい点・似た型との違い」の順に解説します。例題と解説はすべて当サイトのオリジナルです。
1. 平方完成の型
使う問題
「頂点を求めよ」「y = a(x−p)²+q の形にせよ」「軸と頂点は?」と言われる。
考え方
放物線の形は a(x−p)²+q で決まる。x² と x の項を a でくくり、かっこの中を平方にそろえると頂点 (p, q) が読み取れる。
手順
- x² の係数 a でくくる:y=a(x²+(b/a)x)+c
- かっこの中を平方完成:(x+b/2a)²−(b/2a)²
- y=a(x−p)²+q に整理して、頂点 (p, q) を読む
例題
問題 y = x² − 6x + 4 の頂点を求めよ。
- x² − 6x = (x − 3)² − 9
- y = (x − 3)² − 9 + 4 = (x − 3)² − 5
- 頂点は (3, −5)
答え (3, −5)
間違えやすい点
- 定数項に a を掛け忘れる、p=−b/2a の符号。
- (x − 3)² − 9 の「−9」を定数項に足し忘れる。
似た型との違い
「区間での最大・最小の型」は頂点を出したあと、区間との位置関係を見る。
2. 区間での最大・最小の型
使う問題
「0 ≦ x ≦ 3 のとき最大値・最小値を求めよ」のように x の範囲がついている。
考え方
範囲があると、頂点が範囲の外にあるときは頂点の値は使えない。グラフをかいて、軸が範囲の中か外か、そして端のどちらが高いかを見る。
手順
- 平方完成して軸 x=p と凸の向きを確認し、グラフをかく
- 軸が区間の内にあるか外にあるかを調べる
- 内なら頂点と端の値、外なら両端の値を比べる
例題
問題 y = x² − 4x + 1(0 ≦ x ≦ 1)の最大値・最小値を求めよ。
- y = (x − 2)² − 3。軸 x = 2 は範囲の外(右側)
- 下に凸で、範囲では x が増えるほど y が減る
- x = 0 で最大 y = 1、x = 1 で最小 y = −2
答え 最大 1、最小 −2
間違えやすい点
- 軸が区間の外なのに、頂点の値を答えにしてしまう。
似た型との違い
「平方完成の型」で頂点を出すだけとは違い、範囲との位置関係の判断が主役。
3. 置き換えの型 ★入試頻出
使う問題
x² + 2x が繰り返し出てくる式。2 次式の 2 乗など、次数の高い式の最大・最小。
考え方
共通部分を t とおくと、t の 2 次関数になる。ただし t にはとりうる範囲があるので、必ず最初に調べる。
手順
- 共通部分(x²+2x など)を t と置く
- t のとりうる範囲を求める(平方完成で下限・上限を調べる)
- t の 2 次関数として最大・最小を考える
例題
問題 y = (x² + 2x)² − 4(x² + 2x) + 1 の最小値を求めよ。
- x² + 2x = t とおく。t = (x + 1)² − 1 ≧ −1
- y = t² − 4t + 1 = (t − 2)² − 3
- t = 2 は t ≧ −1 の範囲に入るので、最小値は −3
答え −3
間違えやすい点
- t の範囲を調べずに、頂点をそのまま答えにしてしまう。
- t の範囲を調べずに頂点の値をそのまま答えにする。
似た型との違い
「区間での最大・最小」とそっくりだが、区間が t の範囲として自分で作られるのが違い。
4. グラフの移動の型
使う問題
「平行移動」「x 軸(y 軸・原点)に関して対称移動」したグラフの式を求める。
考え方
x を (x−p)、y を (y−q) に置きかえるのが平行移動。対称移動は y → −y、x → −x。頂点の移動で確かめると安心。
手順
- 平行移動は x→x−p、y→y−q と置きかえる(頂点の移動で確かめる)
- 対称移動は x軸:y→−y、y軸:x→−x、原点:両方
- 置きかえた式を展開して y = ax²+bx+c に整理する
例題
問題 放物線 y = x² − 2x を x 軸方向に 3、y 軸方向に −1 だけ平行移動した式は y = x² + bx + c。b, c を求めよ。
- y + 1 = (x − 3)² − 2(x − 3)
- y = x² − 6x + 9 − 2x + 6 − 1 = x² − 8x + 14
答え b = −8、c = 14
間違えやすい点
- x 方向の移動で符号を逆にする、y 軸対称で a の符号まで変える。
- x 方向に +3 動かすのに (x + 3) と書いてしまう。
似た型との違い
「頂点から式を決める型」は頂点が与えられるが、この型は元の式を動かして新しい式を作る。
5. 頂点から式を決める型
使う問題
「頂点が (p, q) で、点 (a, b) を通る放物線の式を求めよ」。
考え方
頂点が分かるので y = a(x−p)²+q の形から始める。通る 1 点を代入すれば a が決まる。
手順
- 頂点 (p, q) が分かるので y = a(x−p)²+q とおく
- もう 1 点を代入して a を求める
- 展開して y = ax²+bx+c の形にする
例題
問題 頂点が (1, −2) で点 (3, 6) を通る放物線の式を求めよ。
- y = a(x − 1)² − 2 とおく
- (3, 6) を代入:6 = 4a − 2 より a = 2
- y = 2(x − 1)² − 2 = 2x² − 4x
答え y = 2x² − 4x
間違えやすい点
- (x−p) の符号を逆にして y = a(x+p)²+q と置いてしまう。
似た型との違い
3 点を通る場合は一般形 y = ax²+bx+c から連立方程式を立てる。
6. x軸から切り取る線分の型
使う問題
「x 軸から切り取る線分の長さ」「2 つの共有点の間の距離」。
考え方
共有点の x 座標は y = 0 の解。線分の長さは大きい解 − 小さい解。解の公式の ± の部分だけ見れば √D ÷ |a| で出る。
手順
- y=0 とおいて x 軸との共有点の x 座標(2 次方程式の解)を求める
- 切り取る長さ = 大きい解 − 小さい解
- 解が無理数なら √D÷|a| で直接求める
例題
問題 放物線 y = x² − 5x + 4 が x 軸から切り取る線分の長さを求めよ。
- y = 0 とおくと (x − 1)(x − 4) = 0 より x = 1, 4
- 長さ = 4 − 1 = 3
答え 3
間違えやすい点
- 解の差をとらず、和や積を答えてしまう。
似た型との違い
「共有点の個数の型」は個数だけ、こちらは 2 点の距離まで求める。
7. 共有点の個数の型
使う問題
「x 軸と異なる 2 点で交わる」「接する」「共有点をもたない」ときの定数の範囲。
考え方
x 軸との共有点は y = 0 の実数解。個数は判別式 D の符号で決まるので、D の不等式を定数について解く。
手順
- y=0 として 2 次方程式の判別式 D を作る
- D>0 で 2 点、D=0 で接する、D<0 で共有点なし
- 定数 k の不等式を解き、条件を満たす整数を選ぶ
例題
問題 y = x² + 4x + k が x 軸と共有点をもたない整数 k の最小値を求めよ。
- D = 16 − 4k < 0 より k > 4
- 整数の最小値は 5
答え 5
間違えやすい点
- D=0(接する)のときを 2 点に含めてしまう。
- D = 0(接する)を「共有点なし」に含めてしまう。
似た型との違い
「判別式で解を判定する型」は数値から個数を出し、この型は個数から定数の範囲を出す(逆向き)。
この単元を練習する
型を読んだら、実際に手を動かして定着させましょう。アプリでは、それぞれの型の問題が数値を変えて何度でも出題されます。同じ型で3回連続正解すると「定着」になります。